よく面接のNGなケースとして、「御社で成長したいです」というのがあるそうです。その理由は、会社は君を育てる場ではない、君が利益を出すところだかららしいです。
別に、私は、御社とともに成長したい社員だったら、成長意欲があっていいじゃないか、どういう風に成長するつもりかな?とか、色々興味をそそられてしまいそうですが、ここは王道に従って就職活動をしていきます。
その一方で、法律の勉強をしてきた人なら、「御社でこれまでの法律の勉強で得た知識を生かして頑張ります」という回答をした人やそういう回答をしようとしている人がいるのではないでしょうか。
正直、私は、この回答の方がNGという感じがします。
これから就活、転職される方に対して、この回答が不適切な理由を説明していきましょう。
会社の意思決定の仕組み
会社の意思決定の仕組みを分解して考えてみました。
1、第1段階
まず私たちが学んできた、法律・判例の枠組みから許容された範囲でしか、会社は事業を行うことができないので、会社が意思決定を行うに際して、法律・判例の枠組みを検討しなければなりません。
2、第2段階
次に、意思決定をする上で大事なのが、会社の目的や定款です。会社が遵守すべきは法律だけではありません。法律的にセーフでも、会社の目的に反することはできません。
会社の目的は定款に記載されていれていますが、定款を見なくとも、大規模な会社(例えば、上場企業など)のホームページがあれば、事業理念として会社の目的が表示されています。
会社で法律を生かしたいという前に、まずは会社の事業理念やビジネスモデルを理解することが、法律を学んだ者が就職・転職活動を成功させる秘訣となるのではないでしょうか。
3、最後に経営判断が加わります
例え、法律的にセーフ、会社の目的に合致する、でもお金がない、他の事業に人材を集中的に投与していて、その意思決定を実現するための人材の確保が難しい、その意思決定は魅力的だけど他社もやっていて差別化するためにそれはすべきではないなど、その意思決定を実現する上で障害となることは沢山あります。
会社の意思決定がどのようになされているのか、分かっていただけましたか。私たちが学んできた法律は、民間の会社ではその程度の意味しかないと落胆したくなる気持ちは分かります。私も、これを知ったときはショックでした。
それじゃ、法律を学んだことって無駄
なんだよ、それじゃあ、これだけ時間をかけた法律の勉強って無駄かよ!!とか思わないで下さい。
そんなことはないですから!!
確かに、法律の条文、判例を丸暗記した知識というのは、法律の改正や判例の変更で、すぐに古くなってしまいます。
それでも、法が持つ普遍的な価値を自分の中で見つけることができれば、きっとあなたオリジナルの強みというものが見つかります。
例えば、私の自己分析で、法律の役割を利害調整のためのツールと定義していますが、これと同じように、あなたがそれまで法律を勉強してきた理由を探究してみてください。
人材紹介会社・転職エージェントの人から、法律を学んだ人は、すぐに法律を生かした仕事をしたいと言うということは、2人に1人の割合で聞きます。
だからこそ、法律を生かしたいではなく、法律のこの価値を私は学んできたということをアピールできれば、きっと就職・転職活動に有利に働くはずです。こんなことを自分が就職が決まってないのに、ブログで公開するのはどうかと思いましたが、ほぼ誰も見ていないので大丈夫でしょう。
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