弁護士になるためにの方法、学歴が弁護士に及ぼす影響、勉強時間などについて、詳しく解説していきます。
弁護士になるためには、司法試験に受験して合格しなければなりません。
司法試験の受験資格
司法試験の受験までの流れ
司法試験の受験資格を得るためには、①法科大学院を卒業するコース、②予備試験に合格するコース、2つの方法があります。
Ⅰ法科大学院を卒業する場合
- 法科大学院を、大学を卒業する必要があります。大学院を併設している大学に通っていても、別の大学を受験することでの不利益はありません。
- 法科大学院に入学するためには、大学院別の試験と全国共通の適性試験(センター試験みたいなもの)を受けなければなりません。大学院別の試験は3年(未修コース)、2年(既修コース)によって試験の内容が異なるのが通常です。2年(既習コース)の場合、ある程度法律的思考が身についていることが前提となるので、試験の内容は法律関係を問われます。
- 法科大学院を卒業すると、卒業してから5年間、司法試験の受験資格が与えられます。
Ⅱ予備試験に合格する
- 予備試験に受験資格はありません。そのため、中学生、高校生、大学生でも、受験することができます。
- 予備試験では、マークーシート式の試験と論述式の試験があります
- 予備試験に合格すると、法科大学院を修了した人と同様の資格が与えられ、合格から5年間司法試験の受験資格が与えられます。
- 予備試験の方が、法科大学院進学に比べて、費用、時間で有利ですが、求められるレベルが高いです。
司法試験の合格後には
司法試験に合格した後は、1年間の司法修習を経ます。この時に、より実務的な内容を勉強します。最後に、試験があり、その試験を合格すれば、弁護士になることができます。
ただ、実際に、弁護士として活動するには弁護士会の登録が必要になります。
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学歴は重要か?
司法試験に合格するには、偏差値が高い大学、法科大学院に入学しなければならないわけではありません。司法試験を合格するためには、偏差値が高い、いわゆる高学歴な大学、大学院に入った方が有利ですが、それよりも大事なことが大事なことがあります。
それは、司法試験、大学院別の合格者数、率を見ていただければ、分かります。下の図は、平成27年度司法試験の結果です。
法科大学院 | 合格者数 | 合格率 |
一橋大学法科大学院 | 79 | 55.6% |
京都大学法科大学院 | 128 | 53.3% |
東京都大学法科大学院 | 149 | 48.3% |
神戸大学法科大学院 | 72 | 48.3% |
慶応義塾大学法科大学院 | 158 | 45.5% |
確かに、偏差値の高い法科大学院の合格率はいいですが、それでも合格率は50%を下回る大学院がほとんどです。
決して高学歴な法科大学院に入学したからといっても、司法試験に有利というわけではありません。法科大学院に入学してから、きちんと勉強して、司法試験の対策をすることで合格することは十分可能です。
大切なのは、法科大学院でどれほど司法試験に要求される能力を身につけ、それを本番で発揮できるかです。
ちなみに、一番合格率がいいのは、予備試験合格者です。予備試験合格者は大学院に所属していても、予備試験合格者の資格で受験した場合は予備試験合格者として集計されますが、その合格率61.8%です。
ただ、予備試験制度は法科大学院を設けた制度趣旨(丁寧に法的素養を養っていきましょう)をないがしろにするもので批判もありますので、まだこれから制度の変更が色々ありそうです。
司法試験後に弁護士になったときに学歴は重要?
弁護士になった後においては、それほど学歴は重視されません。就職の際にも、司法試験の成績、人柄が重視されています。
弁護士になったことを気にして、高学歴な法科大学院に行く必要はありません。
法科大学院での勉強期間は、弁護士になった後、社会正義の実現に向けて活躍するために、必要な期間といえ、法科大学院のブランドよりもどのように過ごすかが大事になります。
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