業界・会社分析をする上で、会社四季報は非常に役立ちます。とはいっても、これまで財務データなどを見たことがない人にとっては、どこから見ればいいのか、何を見ればいいのか、分からないことも多いのではないでしょうか。
そこで、就職・転職活動をする上で、会社四季報に掲載されている大事な情報、ここだけは押さえておきたい内容を紹介していきます。財務データの分析も、もちろん大切なのですが、この記事の趣旨から、財務データの分析は別の記事にします。
ここで紹介している箇所は、実際には2行程度で、200文字もないので、短時間に見ることができます。それぞれの説明は長くなってしまいましたが、実際に四季報を見ながら確認してみて下さい。
会社分析っていうから、凄く難しくて、高度なことやるみたいなことではないので、
安心してください、簡単ですよ。
それでは、本題です。
業界内での立ち位置を知ろう:特色欄
特色欄では、会社の事業内容、業界での地位、資本系列、沿革などの要約が記載されています。自分が希望する会社の業界での立ち位置や、収益源を知ることができます。
まず、最初にチェックしておきたい場所ですね。
会社の変化に敏感になろう:業績欄
業績欄は、基本的に業績1期目の動向がコメントされています。具体的には、主要セグメント(部門)ごとの販売状況、原価、販売費、一般管理費などコスト要因の変化を踏まえた営業利益の状況を中心とした記載です。
業績欄で注意すべきポイントは、前期実績に対してどう変化するか、その理由は何かということです。
例えば、業績欄に【増益】と書いてあっても、主力事業が伸びた、新製品がヒットしたなど、プラスに評価できるものもあれば、必要な経費を先送りしたり、大量に人員を削減した結果ならば、マイナスの評価となります。
【減益】と書いてあっても、研究開発や積極的人員を採用したなど、将来の成長につながる投資による前向きな減益もあれば、抜本的な再建の手立てがない減益もあります。
会社の将来性を読み取る:材料欄(トッピクス)
材料欄には、会社の業績や経営に影響を与えそうな材料や、会社の課題、対策、株式需要動向が記載されています。
例えば、工場建設や店舗展開などの成長を期待させる動きもあれば、現場の高齢化、人材確保が課題など会社が抱える課題も記載されます。
さらに、会社の対策については、会社が発表したものをそのまま掲載するだけでなく、四季報記者が読者の視点に立って指摘することもあります。
会社の収益柱を読み取る:連結事業欄
会社は、一つの事業に集中しているわけではありません。例えば、私が現在利用している人材紹介会社・転職エージェントは、人材紹介事業だけでなく、派遣事業も行っている所がほとんどです。収益柱で得た事業ノウハウを他の事業に活用することはよくあります。
一度、自分が希望する会社の収益柱となる事業とその周辺事業を確認しておきましょう。例えば、ディズニーランドで有名なオリエンタルランドでは、テーマパーク83(24)、ホテル13(21)、他4(7)と記載されています。
()で囲まれた数字とそうでない数字がありますが、()で囲まれた数字は利益率で、そうでない数字は売上高を意味します。オリエンタルランドでは、収益柱であるテーマパークが一番収益率が高いことが分かります。利益率は、他の会社と比べてみましょう。そうすることで、効率的な経営が出来ているか分かるでしょう。
存続の危機を把握せよ:継続前提に疑義注記
これは、材料欄の部分の記載ですが、大事なことなので、書きました。材料欄に、継続前提に疑義注記、と記載されていたら、直ちに上場廃止になるわけではありませんが、経営が厳しいことに変わりません。極力、こういう企業への入社は避けるべきでしょう。
まとめ
業績欄も、材料欄も、合わせて200文字くらいしか書かれていません。そのため、濃縮した情報となっているので、時間がなくても手っ取り早く必要な情報を掴むことができます。四季報は就職・転職活動だけでなく、社会人になってからも読む機会があると思います。
この機会に是非、会社四季報を読んでみて、会社分析の技術を磨いておきましょう。
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