【法務の面接】最後に何か質問はありますか~良い質問と悪い質問~

質問

 

面接の最後にどのような質問をすれば、高評価を得る良い質問か、低評価を受ける質問か、考えていこう。シリーズ2です。

今回は、法務の面接に限定して、「最後に何か質問がありますか」に対する答えの良し悪しを検討していきましょう。

法務特有の高評価を受ける最後の質問の特徴

法務の面接においても、やる気や意欲を見せることが重要であることに変わりはありません。

その上で、会社の意図にマッチしていることや、応募先企業の法務に対する深い理解を示すことができたら、良い評価を受けるでしょう。それには事前の準備が不可欠です。

会社の意図を把握したり、応募先会社での法務の役割を分析する方法としては、以下の方法が考えられます。

  1. 企業から提供されている情報をしっかり吟味する。求人情報を読んで、求められる人物像を考える。
  2. 自分から企業が所属する業界の動向を研究し、その会社の業界の立ち位置とその変化を分析する。
  3. 会社の組織図を分析し、応募先企業での法務の役割を把握する。

2の会社を取り巻く業界分析は、会社四季報が役立ちます。私が以前書いた会社四季報の活用方法も参考に分析してみて下さい。

1の求人情報については、大雑把な内容のものから、具体的な業務内容を細かく箇条書きにして示してくれるものまで、様々です。

その原因は、求人情報を作成したのが、応募している部署ではなく人事部が書いたものである場合や、人材紹介会社のヒアリング不足、人材紹介社に対して求職者が詳しく聞かなかったといったことが想定されてます。

具体的な質問項目とその注意点

question

 

求人情報で仕事内容として、契約審査・管理、総会対応、法律相談などのように大雑把な情報しか与えられていないという状況で、どのような質問が良いか、考えましょう。

 

 

契約審査・管理に関する事項

まず、契約審査・管理といっても、一から契約書を作成する「ドラフト」と相手から出された契約書を審査する「レビュー」があります。また、「ドラフト」の場合、どの段階から法務が関与するか会社や取引の規模によって異なります。そこで、レビューとドラフトがそれぞれ、どれくらいの割合であるのか、質問するといいでしょう。

ついでに、会社で頻繁に扱う契約類型について聞いておくといいかもしれません。レビューに関する書籍は、沢山出版されているので、あらかじめ頻繁に扱う契約類型を勉強しておくべきだからです。

また、法務を設ける会社となると、それなりの規模の会社ということになるので、国内だけでなく、海外でも事業を展開していることが多いです。契約書も、和文だけなく、英文の場合もあるでしょう。
ただし、事業が明らかに国内のマーケットだけしか扱っていない会社もあります。それについて事前に確認した上で聞きましょう。

総会対応について

総会対応についても、会社によって法務の役割はバラバラです。総会対応を総務部が対応するところもあるくらいです。ただ、法務としての募集案件として、総会対応があった場合に質問すべき点として1つ紹介しておきます。

それは、上場会社の株主の種類に関する質問です。上場企業の株主を気にするということ自体は大切なことだと思います。上場企業であっても、親会社がいることも多々あるので、過半数に近い株式数を親会社と取引銀行などで占めいる場合とそうでない場合で株主総会の運営で要求される事項も異なってくるからです。

ただし、株主に関する情報は、自分で調べれば簡単に分かるはずです。誰かに聞いて、手っ取り早く情報を仕入れることも大事ですが、どうすれば株主に関する情報が手に入れられるか、理解しておくべきです。

会社のホームページのIR情報や会社四季報を活用してもいいでしょう。株主の情報を聞くことで、情報収集能力を疑われないようにしましょう。

法律相談について

法律相談といっても、契約審査のドラフトのように事業のスタート段階から持ち込まれる事案もあれば、契約更新の際のレビューや、印紙代はいくら貼ったらいいのかなど、大小様々なものが想定されます。

しかし、法務部員に共通する事項として、他の部署からの相談に積極的に答えを提示して、信頼される法務部の構築に役立つことが要求されます。そのため、多くの会社では法務部に案件を相談しやすい体制を構築している、若しくは構築する努力をしています。

どのような流れで、法律相談を受けるのか質問しつつ、話を広げて、その会社の組織としての法務部に要求される能力を面接を通じて深めていくのが良いでしょう。

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最後の質問の意図を理解すれば、大丈夫

いかがでしょう。ざっと、法務希望職者が最後の質問をする際のポイントと注意点を紹介しました。是非、法務職種の選考で面接官が、応募者からの自発的な質問でどのようなことを把握したいのか考えてみて下さい。

私は、面接官はこの最後の質問を通じて、応募者の情報収集能力、情報分析能力を把握しようとしていると確信しています。求人情報が大雑把なものでなくても、このことを念頭に置けば、最後に質問すべきことも、見つけ出すことができるはずです。

最後の質問で、面接官が何を求めているか。自ら考え、表現できるように、しっかり準備しておきましょう。

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