法学部は、潰しも聞くし、文系の中では比較的難関な学部とされているけど、法学部ってどういう学部なのかよく分からない.
そんな人のために法学部とは、どういう学部なのか、法学部で学ぶ法学ってどういうことを学ぶのかについて、説明します。
法学部のカリキュラム
法学部といっても、大学によってカリキュラムは大きく異なります。ここでは、多くの法学部に共通する部分を紹介します。
1年生
1年生は、一般教養科目が多く、法律についても基礎的な科目が多い傾向があります。
一般教養科目としては、第2言語、英語、経済学などです。
法律基礎科目とは、憲法や民法や刑法を指します。これらは他の法律を勉強する上で、基本となる法律です。
2年生
2年生になると、一般教養科目は少なくなり、法律基礎科目、法律科目、法律以外の科目(政治学等)が増えていきます。
法律科目は、6法と呼ばれる、憲法、民法、刑法、民事訴訟法、商法(+会社法)、刑事訴訟法を中心に勉強する人もいれば、私法と呼ばれる私人間を規律する民法、民事訴訟法、商法を中心に、他の私法を勉強していく人もいます。
大学によって、力に入れている科目も分かれていますが、教授によって学生の好みが分かれることもしばしばあります。
3年生
3年生になると、履修できる科目の幅も広がり、友達と全く授業が被らないということも珍しくなくなります。
この頃になると、少人数のゼミや、少人数の授業も増えてきます。ゼミは参加が強制の所もあれば、ゼミの参加が任意の所もあり、ゼミや卒論を経験せず、法学部を卒業していく人もいます。
4年生
卒業に必要な単位は、3年生の時にほとんど取得することができるので、4年生になると、ゼミや1、2つの授業に出席する学生がほとんどです。逆に、3年生までに単位を十分に取れなかった場合には、就職活動をしながら、単位の取得も頑張らなければならないので、苦労することになります。
大学によってカリキュラムの種類は異なる
大学によって海外留学を用意していたり、インターシップといって夏休みの期間に職業訓練をしてその結果を発表するプログラムがあります。カリキュラムの種類は、大学生の入学数によって分かってくると思います。大人数のマンモス校であればカリキュラムの数は多いでしょう。ただ、少人数のゼミは抽選制になったり、人気のゼミには参加できない可能性も出てきます。
法学とは?
法学の定義は、人によって様々です。そこで、法学の特徴をまとめてみました。
概念の整理
所有権ということを聞いたことがある人は多いと思います。でも、それを見たことがある人はいないでしょう。所有権というのは、人が想像して生み出した概念にすぎないからです。
法律を学ぶと、様々な権利や義務と出会うことになるでしょう。その度に、その概念を学んでいきます。この概念は、法律によって明確にされていることもありますが、法律によって規定されていないものも含まれます。
例えば、譲渡担保権という権利は、どのように生まれ、どのように消滅するのかということ、譲渡担保権という概念とともに、学んでいきます。
また、法律用語独特の言い回しも学ぶことになります。悪意や善意、果実などは、日常生活で使われる場面と異なる意味で用いられるので、それも学習します。
条文の要件・効果の整理
条文とは、法律に書かれている文書です。条文には、通常、要件と効果が記載されています。
例えば、民法93条には、「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。」との記載があります。
最初の文書「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。」は本文と呼び、「ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。」は但書きと呼ばれます。
本文は、要するに冗談のことだと思ってください。法律の世界で冗談は、冗談として通用しないということです。例えば、そんなにお金持ちでない友人から、「君に100万円を挙げよう」と言われた場合に、あなたが「ありがとう」と言って、それを承諾すれば、100万円の贈与契約が成立するのが原則です。
ですが、但書きの部分によって、冗談であると知り、知ることができた場合は、無効とすることができるとなっているので、友人はあなたが冗談だと知っていたということを証明すれば、贈与契約を無効とできるのです。
普通、何の理由もなく100万円がもらえることはないので、冗談ということが知ることができるとされるでしょうから、贈与契約は無効となりそうです。
このように、条文にはどういう場合(要件)に、どのような結果(効果)が発生するという規定されていることが多いです。
この要件と効果について、条文によって捉え方(これを専門用語で解釈)が異なる場合があるので、それも含めて学習していきます。
新たな価値基準の構築
法律は、規範(判断基準)という側面があります。この規範は、人々の社会活動を規律するもので、社会の人々によって共通に支持されていなければなりません。もっとも、ここで支持する母体の大きさによって、規範の正当性を判断するわけではありません。
法律は、人々の共通の指示が得られるように制定されることを担保するため、国民の代表者によって制定されます。もっとも、この担保も、どの程度効果的か疑問ですが・・・・。
この制定された法律が、歴史の変化によって、正当化できない事態が生じます。この正当化できない事態に気付き、それを修正することも法律を学習する者の大切な役割です。
政治経済で学んだ、過去の違憲判決の詳しい勉強も、この分野に属します。近年、違憲判決が多く出されていますが、それは時代の流れによって正当化することができない規範(判断基準)が増えていることの現れです。
まとめ
いかがでしたか?法学部がどういう学部で、法学がどのようなことを学ぶが分かってもらえましたか?
法学部の試験は、論述式の試験です。持ち込み可能な試験とそうでない試験があります。法律科目の多くの試験において、六法全書の持ち込みは大丈夫なことが多いです。
法学部といっても、条文を丸暗記、判例を丸暗記するわけではありません。もちろん、条文や判例の大事な文言は暗記するくらい勉強する必要がでてきます。
ただ、大切なのは、暗記ではなく、自分なりに理解し、それを表現することが一番大事です。大学の勉強はほんの一部で、むしろ法学部は自分で勉強することも多いですし、その時間の確保も比較的容易です。大学に入ったら、バイト、遊び、勉強、色々な可能性が広がります。
可能性が広がる分、大学の期間の影響力はとても大きいです。法学部に入学したら、様々なことに挑戦してみてください。
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